ベルイマン『不良少女モニカ』

日本での題は「不良少女」だけど、もとのタイトルは「モニカとの一夏」みたいな感じ。

どっちにしても、これはそのモニカを演じる主演のハリエット・アンデルソンの映画。

お店で近くにいたハリーに声をかけて、すぐさま映画に誘う彼女。映画館でお話に感動して泣いていたり、夕方のベンチでハリーを誘惑したり、なんだかすごく積極的で魅力的な子のようにはじめは見える。

ところが彼女の家に舞台が移ると、なんだかゴタゴタした家であまり幸せではなさそうな、というか、ちょっとかわいそうな彼女が描かれる。

それからハリーと逃避行をはじめると、裸になって海につかったり、ハリーにダンスを教えたり、人の肉を盗みに行ったり、いろんなことをする。


この子、それほど器量のいいほうではないけど、とにかく仕草が無駄に多くてそれがかわいい。十代のとても活発な女の子の動作ってのが見事にフィルムに保存された、という感じ。こういう演技をできる子ってのは、日本の薬師丸ひろ子くらいしか思い浮かばない。

それからもう一つの見所は、美しいというか、なんかヴィヴィッドな風景描写。いっつも水際にいるんだけど、水の反射とか流れとかがきれいに撮れている。草むらとかもきれいだ。このへん、スウェーデン映画のよき伝統を見事に受け継いでいる、という感じ。さすがベルイマンだ。

1952年のこの映画は、イタリアのネオレアリズモの影響が強く、ここを再出発点としてフランスのヌーヴェルヴァーグへと飛び火していく。この映画の持つ、少し冷徹なまなざしのリアリズムと、魅力的な人物描写、においがしてくるような自然描写と、生き生きと伝わってくる感情の動き、今になって見直すと、こうした要素がこの時代のイタリアとフランスを結びつけているのがよくわかる。

1980円+送料600円

 

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リージョンコードは日本と同じ2ですので、ドライブ設定の変更をする必要はありません。

【商品仕様】

フォーマット：DVD
リージョンコード：2（日本と同じ）
映像規格：PAL
画面アスペクト：1.33：1
音声規格：Dolby Digital 2.0
言語 : スウェーデン語
字幕 : 英語
長さ : 96分

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