2012年4月9日月曜日

WITHOUT A TRACE / FBI失踪者を追え!



CBSで2002年9月26日から放送されている『FBI失踪者を追え!』(原題:Without a Trace)が面白い。

フランスでも France 2と4で放送されているみたいだが、ぼくはテレビで見たことはない。きっと目にしたことはあると思うけど、あまりに地味なのできちんと見なかったのだと思う。実際、このドラマ、ほかのアメリカのTVドラマと比べてると、オープニングからしてなにからなにまで地味だ。


このドラマ、毎回、FBIの架空のチームが、行方不明者を捜す、という話。行方不明者は48時間たつとだいたい見つからなくなるらしいので、時間との闘いだ。その間に、チームは行方不明者の近親や知り合いなど人間関係を洗い、巻き込まれていたトラブルがなかっかなどを探る。その過程で、当事者の知られていなかったさまざまな面が浮かび上がってくる、という感じ。お話としてはとてもシンプルだ。

要するに、このドラマのテーマは、人の孤独だ。失踪した人間はたいがい、何かしらの秘密を、最も近い人間にさえ言わずに生きている。あるいは、彼らは相手に応じてなんらかの役割を演じているだけで、本当の姿を誰にも見せていない。まだ第一話と第二話しか見ていないのだけど、Amazonのレビューなんかを見る限り、ぼくの感じたことはそれほどずれていないと思う。


アメリカの文学では、孤独というテーマが地下水脈のように流れている。ぼくが読みえたアメリカ文学といえばせいぜいトェウインとオースターとスティーブ・エリクソンくらいなんだけど、たとえば『ハックルベリフィン』とかにも言いようのない孤独がにじみでていたと思う。ほかのtvドラマ、たとえば『アリーマクビール』なんかでもやっぱり孤独というのは大きなテーマだった。

どうしてアメリカではそんなにみんな孤独なのか。それは、憶測だけど、アメリカ人はフランス人ほど自己主張せず、ある程度周りに合わせるが、日本人みたく群れたりしない。その結果、人間関係が希薄になるというか、上っ面のものになるんではないだろうか。

なんにせよ、孤独がテーマの地味ぃーなtvドラマがヒットし、社会的に受け入れられるアメリカという国は、相当懐が広いとしか思えない。つくづく、侮れない国だ。

主演のアンソニー・ラパリアが日本に来た時のインタビューを見つけたのでリンクを貼っておく。
http://www.superdramatv.com/line/without/features/interview/detail1-1.html

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